第8章 雪の中で

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そして2人は僕と林の目の前にカッコいいまま滑り降りてきた。 「純くん、見ててくれた?」 「はい。啓大くん、カッコよかった」 「純、俺は?」 「兄さんもカッコよかったよ」 「だろ? 林、いい写真撮れた?」 「はい、バッチリです」 「次は俺らが先に行く番だな」 あっという間に去っていく2人を見送って初級コースの方を降りて行くと、次の合流ポイントで兄と啓大くんが待ち構えていた。 「純くん、どんどん上手くなるね」 「林も上達したんじゃないか? ほら、この写真、2人ともカッコいいよ」 そう言われて見せて貰うと、確かに昨日見た写真よりだいぶ様になっていた。すると兄は言った。 「啓大、さっきの所がここの一番の急斜面だよな」 「ああ」 「じゃあもう上級行かなくていいや。それより4人で滑りたい」 「今日大は勝手だなあ。でも賛成だ。純くん、行こう」 軽く抱き寄せるように僕の肩を叩いて、啓大くんは僕たちの誘導を始めた。昨日と違って、彼の背中がハッキリ見える。ずっと追いかけていきたいと思える頼もしい背中が。 そして思い残すことなくスキーを楽しんで、僕らは東京に戻った。 「また連絡するね」 「はい」 途中の駅で降りた啓大くんを見送って振り返ると、兄と林がニヤニヤしていた。 「何か変だった?」 「いや、別に。おいニヤニヤすんな林」 「今日大さんの方がニヤニヤしてるでしょ」 その先の駅で林とも別れて兄と2人になると、僕は尋ねた。
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