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兄は2つの包みを取り出して大きな方を僕に手渡した。これはきっとブローチの方だ。再び父と向き合って、兄は言った。
「もうすぐ結婚して1年だろ? だから結婚祝いを兼ねて純と2人で選んだ。親父、俺に可愛い弟を連れてきてくれてありがとう」
兄に肘を突かれた。え、僕の番?
「母さん、僕を……面白い兄さんの所に連れてきてくれてありがとう」
「えー、カッコいいじゃないの? まあいいや、とにかくおめでとう」
継父はプレゼントを受け取ると同時に兄を抱き寄せ、母は僕に抱き着いた。
「ありがとう。今日大と純くんが仲のいい兄弟になってくれたのが何よりのプレゼントだよ」
「そうね。今日大さん、純を可愛がってくれてありがとう」
「当然だよ、だって純は可愛いもん。それより早く開けてみて」
継父と母は包みを開けた。
「まあ綺麗」
「お揃いか。照れくさいな」
「ペアルックじゃないからいいだろ? 溶けない雪の結晶のように永遠に美しい愛を抱き続けて下さい」
「うん……うん……」
泣き出してしまった母の肩を抱き寄せた継父も目を潤ませていて僕もつられて泣きそうになったけれど、兄は快晴の青空のような笑顔で、僕も兄に習って口角を上げた。
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