第1章 僕の好きな人

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「純くんは、どういうケーキが好き?」 「そうですね……甘すぎるのは苦手で……フルーツが沢山載っているケーキが好きです」 「ああ、いいね。俺もそういうケーキ好きだよ」 美味しいケーキを想像してケイタくんは甘い笑みを浮かべた。 僕はやっぱりケーキよりケイタくんが好きだ。 テーブルに料理が届くとケイタくんが綺麗に取り分けてくれて、同じパスタとピザを美味しいねって言いながら一緒に食べた。 いつもは独りだし、母と2人でもこんなに楽しい食事は出来ない。 父といた頃は楽しかったっけと記憶を遡ってみたけれど、あの悲しいクリスマスで全て上書きされてしまったのか、何1つ思い出せなかった。
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