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しかもクリスマス装飾の店内でハロウィンのコスプレしてる!
彫刻のように端正な顔立ちにオレンジ色のツノのカチューシャが意外に似合っていて、格好良さに可愛さがトッピングされちゃってる!
いつもは敢えて通路を挟んで反対側の店の方を通るのに、フラフラと引き寄せられてショーケースの前に立ってしまったら、また僕の好きな声が聞こえた。
「いかがですか?」
僕に言ってる?
僕が答えるの?
固まってしまったら、背の高い彼が身を乗り出してきて、なんと! 僕の耳に囁いた。
「今なら黒猫ちゃんもいるよ」
握った手首をコクリと動かして僕にだけ聞こえる声でニャーオって!
ヤバい、ヤバい、ヤバい、ここにいたら心臓破裂して死ぬ!
「か、買います、両方下さい」
「ほんと? じゃあオバケちゃんと黒猫ちゃんセットでキャンディオマケね」
いつもの笑顔が小悪魔に見える。
ダメだ、ダメだ、目が離せない。
「ありがとうございました」
こちらこそ大変ありがとうございました、なんて言いそうになる開いた口を閉じて紙袋を受け取ると僕は足早にモールから抜け出した。
買っちゃった!
喋っちゃった!
どうしよう、走ってもいないのにドキドキする。
あ、走っちゃえばいいのかって、もう訳が分からなくなった僕は、走って家に帰った。
袋が揺れてオバケちゃんと黒猫ちゃんがぶつかって痛くないように、紙袋を胸に抱いて。
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