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食事を終えて図書館に戻って時間を潰してから、ショッピングモールに行ってみた。昨日は気づかなかったけれど、ケーキ屋さんの店頭にもアルバイト急募の張り紙があった。情報誌と内容は同じかなと思いつつ店員さんが接客している間にその張り紙の写真を撮って立ち去ろうとしたら、声を掛けられた。
「バイト希望の方ですか?」
「あ……はい……」
「もうすぐバイトの子が来て交替出来るから、良かったら話を――あ、来た」
びっくりして逃げ出しそうになった。
現れたのは、大好きな彼だったから。
「ごめんねケイタくん、今日も来て貰っちゃって。でもやっとバイトしてくれる子が来たわよ」
「おおー、助かりますね……ってあれ? もしかして昨日猫ちゃんとオバケちゃん連れて帰ってくれたお客さん?」
「は、はい」
「そっか、よろしくね」
彼はすぐに仕事を始めて、僕はさっきの店員さんに話が出来る場所に案内された。差し出された名刺を見たらその人は店長さんで、仕事について具体的に説明してくれた。でも僕は上の空でつい彼のことを考えてしまっていた。
ケイタくんって呼んだよね?
ケイタくん、僕のこと覚えててくれて恥ずかしいけど嬉しいな。
人手が足りないから最近月曜と水曜以外にも店頭にいるんだ。
ここでバイトを始めたら、ケイタくんを助けることが出来るのか。
「以上だけど、何か質問ある?」
「え、あ……ない……です」
「本当に? 大丈夫?」
どうだろう。
でもそんな頼りない僕の手でも借りたい程に、人手不足のようだった。
「じゃあ保護者の方に許可を貰ってから改めて連絡してくれる?」
「わかりました」
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