新たなる世界生まれる時~母に抱かれる星リバー~

水の乙女

白い石の洞窟に青い水をたたえた地下を上の気を読みながらラズは進んで行った
この地に住む者は気読みといって生き物の気配や鼓動を読むことが出来る
強い独特の気をだす魔術師となればすぐに読める
　ベリーを途中の広い空間に残しラズは進んで足を止めた。
「ラクール様、この死骸の山どうしますか？」
「捨てて置け。主様がこられる日までもっとためなくてわ、竜族の精気を取れたらこんなチマチマやらなくても済むものよ。」
酷い扱いだ
奴らは知らないようだ聖獣達の毛や骨も価値あるってこと。
話から推測すると聖獣達の精気を集めて強い魔力を得ようとしている人物がいるのだ
止まって細い岩の隙間をのぞく
明かりがチラチラ見える、
なにか白いものが隙間に飛び込んできた
体を器用に動かし隙間を通りラズの頭に乗ったのはタイガーの子供だった
沈みそうな頭をあげたまま水に体をしずめる
「チビが逃げました。こんなとこに割れ目が。」
「ほっておけどうせ地底深くに落ちるだけだ。」
声がきこえた間一髪だ
地下に水路があることに気づいていないようだ
ベリーの待つ開けた場所まで行く
どこかに備えがないかと見渡す
こういう空間には『水の民』の備えがあるのだ
そこから毛皮をとってラズは裸でくるまった
さすがにずっと水の中にいたので体が冷える。
ラズが寄り添ッてあっためてくれる。
タイガーの子はラズの腹の下にもぐりこんでいる。
「聖獣達があぶないわ。パリス様にお知らせしてなんとしても気の谷間は守らなきゃ。 しっかり捕まってるのよ。」
肩に着ていた上着でタイガーの子をしばり腰紐をしっかり結び毛皮を上に着てラズは再び水の中を泳ぎはじめた

　ラズは『水の里』にひとまず帰ることにした。

村の術師のカズラに頼んで伝言してもらうほうがはやいしこの保護したタイガーの子を預けてこなければならない。