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「でも、王子がどこぞの令嬢を選ぶ場面を見ずに済んだんだし、これでいっか」
ポジティブなアンジェリカはそう思考を切り替えた。──翌日、超不機嫌な王子と合う事になるとは思いもせずに。
登城したらいきなり呼びつけられて事情徴収されたのだ。あの時は本当に怖かった……。
──アンジェリカがそんな事を思い出していると、王子がふいに問いかける。
「大方、俺がどこぞの令嬢を選ぶ場面を見ずに済むとか何とか考えていたのだろう?」
「ぐっ……!」
アンジェリカの反応を見て、アンジェリカの気持ちに確信を得た王子は、その端正な顔にふわりと優しい笑顔を浮かべた。
「俺が小細工などせずに直接告白すればよかったな」
そして王子は椅子から立ち上がると、アンジェリカの前で跪き、もう一度告白をする。
「アンジェリカ、愛してる──俺と結婚して欲しい」
王子の真剣な顔に、アンジェリカは花が咲いたような笑顔で答えた。
「はい、喜んでお受け致します──殿下」
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