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「うん、好きだよ」
「おーじゃあ、付き合っちゃおうか?」
かたん、という音と共に目の前には君の顔。
「む、むりむり、尊い」
「えー? 好きだよって今言ったのに」
「そうなんだけど、近い近い。それに、付き合うのは無理」
「は?」
「受験勉強あるし、私両立できるほど器用じゃない」
「俺、待てるほど気が長くないけど」
いつもの軽い冗談だったはずなのに、なぜか本当に付き合う話になってるし。意外に君の耳は真っ赤に染まってるし、嘘、嘘だ、嘘だ、君も私を好きになってくれてたってこと?
「待って待って、本当に言ってる?」
「ずっと本気だよ、こんなにそばにいるのに気づいてなかったの?」
「だって、冗談だと思ってた」
「いつだって、本気でタチバナのこと見てた。だから、受験が終わるまでとか言わずお付き合いしてください」
ぐうっと息を飲み込む。志望校の判定はC。頑張れば行けるかもしれないけど、頑張らないと確実に無理は範囲だ。
私だって成山くんのこと好きだし、付き合いたい。でも、こんなふわふわで今後を棒に振っていいものか。
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