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「なんで悩むわけ? 両方頑張ればいいじゃん」
「それができないって、知ってるでしょ。成山くんは、ずっと私の隣で見てたんだから!」
「知ってるよ、だから、ちゃんと両立できるようにサポートする。あと惚れっぽいことも知ってるから、いえす、か、はい、以外は聞きたくない」
それでも素直に、はいと返せる自信はない。もし、受験の前に成山くんと喧嘩して別れたら? 落ちる未来しか見えない。
成山くんの前に好きだった人たちの時もそう、振られるたびに授業には身が入らないし、学校は遅刻するし。極端な私は自暴自棄になって、ダメ人間になってた。時間が経てば回復したけど。
大学受験に関しては時間が経てば、が通用しない。今この時しか、備える時間は用意されてない。だから、この時間を棒に振るわけにはいかない。
何でもかんでも思い込んだら一直線、それが私。だから、付き合ったらきっと志望校に落ちてしまう。それに、大学だってどうするの? 成山くんの志望校どこだっけ? 離れ離れに結局なるなら、思いを秘めた方が、ううん、それでもやっぱり集中はできそうにない。
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