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目が覚めると、見知った天井だった。
「何時間です?」
「8か月だ。」
上体を起こした私が最初に見た人間は、黒ぶちの眼鏡をかけていた。何年も使っているのかもしれない、折れたフレームはマスキングテープで補修されている。
斜光、目線を横切る青空からの温もりは、私を介することなくリノリウムの床に突き刺さる。
「結果だけ伝えるように君の上層部から言われているから、言葉通り結果だけ言う。」
「はい」
「右足の切断と右目の失明、右手甲の骨折と右手小指・薬指の切断。以上だ。右足については君の左足同様に義肢をはめてある。薬指・小指に関しても同様だ。しかし、指については、君の身体に合うパーツが旧式のものしかなかったから、人工皮膚は付けていない。甲の骨折は、手術時の麻酔と昏睡のあいだに治っただろう」
「はい」
「明後日から搭乗解禁だ。身体はそれまでに慣らしておくように。」
「はい」
出て行く白衣のその背中を見送って、私は不意に、窓の外を見る。
青でいっぱいの空は、ずっと不可解な平面だ。
この色彩の空を見上げると人は、同じ色、同じ造形であるにも関わらず、不安や焦燥、爽快や解放感、悲哀や哀愁、そういった、似ても似つかない感情を覚える。再現する、と言ったほうが近いのかもしれない。
空は常に、再現性のフィルタだ。
遠く広く、低くありふれた町を見下ろして。
墓参りに行こう、と。
なんとなく考えて、
なんとなく動き出す。
絶叫の冬は遥か昔の残像として、私の手に震えとして再現される。
:
入院服の上からジャンパーを羽織って、巻き込んだ髪を外に出しながら、これまでの八か月間に、なにがあったのかを検索する。好きな花のロック画面が上方に滑り、
ホーム画面にしていた鹿凪非海と、
『はやくランダバウトを!』
目が、
『はやく!』
あった。
「…………。」
鹿凪非海は8か月前、第6擬師戦闘の際に名誉の戦死を遂げた。
7か月前の記事のサムネイルには、雪の降る戦死者追悼碑の前に並んだ軍人が、一斉に敬礼している写真が使われていた。鹿凪を褒め称える文章は千文字ほどで途切れ、そこから先はサイトへの登録が必要だった。
鹿凪非海。
彼女のことを明確に理解しているのは、きっと私だけだろう。
人間ってものは時々、海みたいなものだと思う。
外から見ればそれは美しい。入ってみれば、楽しかったりするのかもしれない。けれどそこから下へ、底へ、奥深くへ潜っていくという行為は、苦しい。
息ができなくて、暗くて、潰されそうになる。
それでいて、誰も――底にたどり着くことはない。
けれど不思議なことに、その海に入って底を目指すという行為は、必ずしも潜っていく場合ばかりというわけではない。
溺れて、沈んでいくときもある。
本当に、無茶な戦い方をする女だった。
病院を出て、まっさきに向かったのは花屋だった。まるで胴体と切り離された死体みたいな美しい花が並ぶ店頭を通り過ぎ、霧吹きで水を与える女性に声をかける。
「贈り物ですか?」
「いえ、墓参りです。適当に見繕ってください」
「……分かりました」
目を丸くした女性は、予め決められたプログラムを強制的になぞるように、ぎくしゃくと動き出す。
どうやら、花はランダムに揃えられているわけではないようだった。女性はすらりと長い美しい手で、指で、花のひとつひとつを数えるように見たあと、何本かをおもむろに手に取り、ビニールで包み始める。私はそのあいだに、ショーウィンドウ越しの外を見る。
水溜まり。水滴をまとった車体。
選挙ポスター。
長靴。穴の開いた折り畳み傘、転がるバケツ。
誰かの櫛。
向かいのショーウィンドウのピアノ。うさぎの人形。大根。
はしゃぐ子供と、
追う母親と、
肩を並べる烏と、
欠伸の会社員と、
ばったり友達と出くわす大学生。
そのすべてが現在というくくりのなかにいるというのに。
私だけは、多分、仲間外れだ。
生きている世界が違う。
生きている世界が間違う。
生きている世界がすれ違う。
「どうぞ」
女性に話しかけられて、はっ、と振り向いた。急いで花束を受け取るそのとき、うっかり義指の薬指が、剥き出しの無機質が女性の手に触れる。
女性のなかで、時間が一瞬止まったことが分かる。
私はすぐに右手を引っ込めて、左手で花束を受け取る。
お墓――マキア社専用戦死者追悼場までは、路面電車で行くことができる。ただし、それまでには、死骸地を通らなくてはいけない。そのため、お墓に行く人間はほとんどいない。家族であっても、恋人であっても、そこに二度と足を踏み入れようという者は少ない。
みんな、狂ってしまうからだ。
死骸地――元剣坂町は、第3擬師であるフランニエルの溶性体液によって、真っ赤に染められてしまった。腐臭、死臭の漂うその地域は洗浄も難しく、住民は即座に退避しなくてはならなくなった。
路面電車はカーブして、死骸地行きの線路へシフトする。
非現実的な赤が眼前に現れる。
不意にスマートフォンが点灯した。メッセージが1件、とある。
「水流添一識
意識が回復したならさっさと連絡しろアホ
12:09」
私はスマートフォンをスワイプしてロック画面を開くと、メッセージチャットアプリを起動する。未読は13件。うち、7件が水流添からのものだった。
「起きたよ」と、打ちこむ。
淡い斜光が、建物の隙間から途切れ途切れに現れる。
「おい」
「大丈夫か」
「早く連絡しろ」
「待ってるぞ」
「おーい」
「怪我の具合はどうだ?」
「意識が回復したならさっさと連絡しろアホ」
……すべて、水流添からのものだ。深緑色のボディスーツを着た彼女の姿を思い出す。彼女の姿を、1年前の自分とよく重ねたものだった。
2秒も経たず、既読が付く。
書き込み中の表示が何度も何度も、怯えた動物のように、現れては消え、現れては消えを繰り返す。
「元気か?」
ようやく送られてきたその4文字に、私はどこか安心しながら、
「元気だよ」
と打つ。
「鹿凪のことだけど」
と、今度は一発で返ってくる。
「先輩のせいじゃない」
……分かってるよ、と送らずに呟いた。
「これから墓参りに行ってくる」
と打つ。
「気を付けてね」
と返ってくる。
溜息をついて、スマートフォンの電源を落とした。窓の外には美しい木々と、透明な青の空。切り刻んだ原稿用紙みたいな雲。建物はゆっくりと、赤みがかかってくる。
そういえば、第3擬師を駆除したのは、鹿凪だった。
「お前の頭は撫でやすいな」と言って、事あるごとに私の頭を撫でてくる彼女の手は、今はもうない。かけがえのないものと言えば誇張だろうか、それでも私にとっての彼女は、唯一無二ものだった。
息遣。
仕草。
声音。
目線。
手癖。
毛先。
首筋。
言葉。
台詞。
彼女を取り囲む、そういう世界。
物語。
メロディのように甘美に編まれたその世界のなかで、擬師という悲劇と戦いながら、仲間と少女と、囲われた世界の中心で、そういう苦しみや悲しみに、苦しんだり悲しんだりしながら、藻掻くように物語る、彼女の唇、声、音。
今でも鮮明に思い出すのだ。
夜。
ベッド、彼女は私の耳元で、彼女だけの物語を語り始める。
息遣いから体温が伝播する。まるで、つま先から頭のてっぺんまで、繋がってしまって、離れられないような。
抱擁と、
甘美と、
偶像と、
恍惚と、
焦燥と、
悲哀の束。
「君のからだは暖かいね」
やがて町は赤く染まり始める。
死骸町、半分になったビルや、つぶれたままの家屋。
腐った木々、リードの千切れた犬小屋。
目。
第3擬師の、放置された、巨大な――目。
第3擬師討伐によって、鹿凪非海は糾弾された。町を守るために町を破壊するなんて本末転倒だった。警察が市民を守るために市民を撃つようなものだ。
分かっている。理屈では分かっている。
やがて赤は晴れ、地平線までいっぱいの墓石が現れる。なんの告知も無く停止して、扉が開く。私は花束を抱えて降りる。
丘陵、ゆっくりと歩く。
場違いなほどに鮮明な緑の草葉は、風に揺られて震えている。位置は覚えている。私たちのような、対擬師専用兵器・ナイトレコーダーのパイロットは、死因が戦死であれ、自殺であれ、他殺であれ、同じく一か所に集められる。
ペグのような形の支柱。
そこに、パイロット証明として渡される、個人照合用のドッグタグを下げるのだ。
『鹿凪非海』。
その名は案外、はやく見つかった。
ドッグタグの前には、彼女の好きだった缶コーヒーや、小説が置かれている。他のドッグタグの前も同じだ。MP3プレイヤー。ゲーム機。ネックレス。万年筆。縫い針。エレキギター……生前の象徴が、そこに静かに佇んでいる。
私は墓前に、そっと花束を下ろした。
それから、もう一度、ドッグタグを見る。彼女の胸元に下がっていたドッグタグ。懐かしい。懐かしさだけだ、今の私に残っているものは。
「ねえ」と、不意に背後から話しかけられる。
「アンタ、ナイトレコーダーのパイロットよね?」
喪服のような黒の衣装に身を包んだその女性は、目元いっぱいに涙を貯めて迫ってくる。
「アンタたちのせいで……っ!」
直後、右頬に強い衝撃が走った。遅れて痛みが広がってくる。一瞬停止した私の胸倉をつかんで彼女は、私の身体を押し倒す。
「夕子も、樹那も、和歌も……みんな、死んでしまったっ!」
私をはたくその手が、握りこぶしに変わる。口の中を切ってしまって、血の味が口腔内に広がっていく。彼女の薬指の指輪が、私を殴るたびに振りかぶる、そのたびに太陽光を跳ね返して輝く。
「町も、家も、家族も、友人も、全部奪いやがって、死ねばいい。お前らなんて死ねばいい!」
彼女の涙が私の頬にぶつかる。彼女の力が段々と抜けていく。
「なんで……どうして、」
どうして。
「どうしてアンタたちが生きてるのよ。おかしいじゃない。どうして死刑にならないの」
「私が死んだら、夕子さんも樹那さんも和歌さんも、生き返りますか」
「そうじゃないっ、そうじゃない」
「家が戻りますか、家族が戻りますか」
「違う!」
もう一度殴られる。殴られる。殴られる。
「私だって、あなたと同じです」
女性の殴る手が止まる。
一番思い出したくない記憶が、よみがえる。
「一番好きだった人を、私のせいで殺してしまった」
『ランダバウトを!』
「私があそこで、ランダバウトを落とさなければ」
『はやく!』
「私があそこで、きちんと冷静であれば」
『はやく!』
「私がしっかりしていれば、」
死ななかったはずなのに。
「ずるい」
彼女はもう一度拳を振り上げる。
「ずるいぞ、そんなの!」
「そうです、私はずるい」
私は涙を拭う。
「自分のミスで好きだった人を殺しておいて、義肢も義指もつけられて、こうまで醜くなってまでして、生きている自分はずるい。そんなこと、もうとっくの昔に分かってるんです」
どこまでも広い空と、太陽を背景に暗くなった彼女の顔。涙であふれた瞳と、震えた唇。気持ちが悪いくらい、その景色は美しい。
存在の耐えられない脆さのうえに、美しさはようやく成立する。
「でも私が死んだら、誰が擬師と戦うんですか? あなたが戦ってくれるんですか? 自分よりも何倍も大きな、訳の分からない生物と、コックピットに押し込められて、あなたが戦ってくれるんですか?」
「ずるい、ずるいよ」
彼女はふらふらと立ち上がり、どこかに向けて歩き出す。
私もふらりと立ち上がる。
ふらふらと歩いて行く、今にも倒れそうなその華奢な背中を見送る。
夕子。樹那。和歌。
たぶん、家族の名前なんだろう。ジグザグだけれど真っすぐな恋をして、お腹を痛めて子供を産んで、その華奢な背中に背負いながら、夕暮れを歩いたことだってあっただろう。けれどそれはもうないものなのかもしれない。もうないものに囲まれながら、彼女だけがあるのかもしれない。
私は膝を抱える。
人間ってきっと、空白だ。
その稜線をなぞって、なぞって、あることにしたいのだけれど、ずっと、ずっと、それは空白のままで、しかもそれは、なぞるごとに、描くごとに、想うごとに、祈るごとに、稜線をなぞる黒の軌跡だけが濃くなって、空白をより空白たらしめるだけなのだ。
鹿凪非海。
私もまた、彼女の空白をなぞることになるのかもしれない。
半分は機械の身体で。
毎日が擬師の戦闘で。
そういう、外れてしまった、仲間外れの青春のなかできっと、彼女の輪郭をなぞるのだ。
拭うのをやめて、もう少しだけ泣くことにした。
空はゆっくりと、子供の頬みたいに熟れていく。成熟には程遠い、青いだけの私を取り残していく。
帰りの路面電車に、乗客はやはり私ひとりだった。
遊びを終えた子供たちが、夕食の知らせを聞いて急いでおもちゃを片付ける。
そのなかで、私はひとりだけ、机の下に転がったまま、忘れ去られる。
そんな気がした。
そんな気がして、怖くなった。
寂しくなった。
靴を脱いで、膝を寄せるように抱きかかえる。
車両はこんなにも広いのに、どこか窮屈で、押し込められているような錯覚が私を包んでいる。
囲っている。
電灯の明かりが、ぽつ、ぽつ、と灯り始める。まるでこの車両が過ぎることを合図にしているみたいに。
私はゆっくりと目を閉じる。
静けさのなかで、電車の一定の振動だけが、調律されたピアノのように心地よく、私をまどろみに引き込む。
夢を見た。
「夕日の色を表すとき、君はどんな言葉を使う?」
そこは、私の部屋のベランダだ。鹿凪はベランダに背を預けている。地平線の向こう側には輝かしい、大きな夕日が、町を紅に染め上げている。部屋のなかには明かりを点けていないのだろう、彼女は夕日とは対照的に暗く、床に座り込む私の周りは、もうほとんどなにも見えない。
「……紅?」
私はそう、答えてみる。
「そうだね。そういう表現もある」
鹿凪は言う。
「赤、紅、茜色、べっこう飴色、オレンジ、橙。夕日なんてのは本当に多種多様で、人の数だけ、夕日というものは、姿を変える。……ねえ、きみは、夕日のことを、どんなふうに思う?」
夕日のこと。
それは、空のこと。
おそろしいこと。
かなしいこと。
くるしいこと。
そういうもの。
そういうこと。
「私にとってね、夕日は、」
彼女がはじめて、笑う。
「溶鉱炉みたいに見えるんだ」
「溶鉱炉?」
「知らない? 鉄とかを溶かす窯のことだよ。あそこに入ると、ものは何もかも溶けてしまう。夕日ってのは、そういうものだと思うんだ。その日になにがあったかなんてものはすべて蚊帳の外で、すべての事象が溶け込んで、混ざって、くっついて、重なって、どろどろになって、一緒になってしまうんだ」
そこで鹿凪は、私の頬に触れる。
彼女の体温が伝わる。
「ねえ、――××。」
彼女が私の名前を呼ぶ。
「一緒に、溶けてしまおう」
彼女の甘い吐息が、私の意識を占領する。
「一緒に、溶けて、とろけて、ぐちゃぐちゃになって、ひとつになってしまおう」
やがて彼女という名の生命が、私の唇に最接近する。
触れる。
「おい先輩、もうついたぞ」
目が覚めると、そこには水流添がいる。どうやら、どこかの駅で合流したらしい。
「……ついたって?」
「病院だ。お前、なに寝ながら泣いてんだよ。怖い夢でも見たのか?」
「水流添に食べられるちゃう夢を見たんだよ」
「お前!」
顔を真っ赤にする水流添の頭を撫でながら、私は路面電車を降りる。
「その傷、どうしたんだ?」
と、水流添が訊く。
「お墓参りに行ってきたんだ」
私が答える。
「そこで、被災者のかたと出会って、殴られた」
「…………。」
「驚かないね」
「この仕事してたら、珍しいことじゃないしな。刺された先輩もいるし。」
「まあ、そんなもんか」
「なあ、先輩」
「なに?」
「抱え込むなよ」
「……」
私は無言で、水流添の小さな身体を抱きしめる。
「うわあっ、な、なに」
「水流添え」
「なんだ」
「夕日ってのは、溶鉱炉なんだよ」
「はあ?」
「投げ込むんだ、そこに。大切なことも大切じゃないことも、嫌なことも嬉しいことも、悲しいことも悔しいことも、辛いことも幸せなことも、全部投げ込むんだよ」
「……投げ込んで、どうするんだ。溶鉱炉は焼却炉じゃないし、入れたら取り出さなきゃいけない」
「それでいいの」
私は言う。
「人間なんて所詮、溶鉱炉から取り出された鉄みたいなものなんだから。そういう苦しみとか悲しみとか喜びとか嬉しさとかの塊を、どうにか整形しながら生きていくんだから」
「ふうん、そうか」
水流添の小さな手が私の手を覆う。
「綺麗になれるといいな。」
美しくなれるといいな。
:
無音の棺と呼ばれるこの箱は、一階から七十二階までをノンストップで一気に上昇する。窓越しの世界が、次々に下へ下へと降下していく。ぴっちりとしたボディスーツは全身に吸着して離れない。電極同期用のイヤホンを指しながら、昔誰かが聞いていた曲を聞く。
エレベータよりもゆっくりとしたテンポだ。私はやがて、目を閉じる。音の世界に潜む。
キン、と鳴って、エレベータの扉が開く。
一秒待って、目を開いた。
眼前には、見渡す限りの青が広がっている。数多くの大人たちが忙しなく駆けていくその中央を、私はゆっくりと歩んで進む。
広場を超えて、剥き出しの鉄骨へ。
垂れ下がる鎖を後目に、鉄骨が眼下、ナイトレコーダーの首筋に開いたコックピットへの入り口を見下ろす。地平線付近、大きく長い手を広げて回転を続ける擬師を眺めてから、ぼそっと、誰にも聞こえないように何かを祈った。
「ナイトレコーダー出動します!」
「降下準備備え!」
「衝撃に準備しろ!」
すべての大人が、私のほうを向いていた。
一番近くの男性が私に言う。
「では、御武運を。」
「了解しました。」
私は言う。
言って、目を閉じる。
すべてがある世界のなかへ、私は背中から倒れ込む。
コックピット、硬質な機体の感触。
搭乗解禁。
目線。
同期する聴覚。
呼吸。
直線。
「……戦闘を開始します。」
今より少し傾いた世界で、
まっすぐに走り出す。
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