18

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 午前0時、誕生日。  私は今日、18になった。 「誕生日だね。おめでとう」  高そうなハイブランドの腕時計を見て隣でそう微笑むのは、血は繋がっていないけどいつもお金をくれる"パパ"。  目の前には今夜解禁になった煌びやかな扉。  その向こうには知らないフリをしていた世界。 「……本当にいいんだね?」  "パパ"は最後の確認だと言わんばかりに顔を除きこんでくる。 「うん……」  私は小さく頷いた。  少し前を歩く"パパ"の後を追い扉をくぐって、エレベーターを上がると、いかにも防音対策の完備されていそうな重い扉が開かれる。  何時(いつ)の時間も"夜"を演出するその部屋はやけに広くて、暗くて、煙草臭い。  別に全く知らなかったわけではないけれど、なんとなく気分が悪くなるような、教室とはまた違う居心地の悪さを感じた。 「大丈夫?」  彼がまだ少し心配そうに声をかけてきた。  なんだか子ども扱いされているようで、少しだけイライラする。 「……別に。早速始める?」  ため息混じりにそう言い捨てて、少女の証明になる制服を脱ぐ。 「あぁ……やっぱり若いね」  少女ではなくなった私に高揚した様子の彼は、唇にそっとキスを落とした。 「……」  数分前に解禁されたばかりのこの部屋で、私は今日、ママの再婚相手と愛し合う。
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