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見ていた少女の三つのお願い
「一つ目のお願いを言うね。あなたのその高い財布と財布の中に入ってるお金とクレジットカードを全部ちょうだい」
少女は少年と同じ中学に通う女子中学生でクラスメイトだ。少年が金持ちであることを知っている。
少年は少女にそれらを手渡した。
「二つ目のお願い。あなたの身につけているもので高価な物。腕時計とか、ネックレスとかこっちによこして」
少年はまた少女の言いなりになった。
「三つ目のお願い。目を閉じて」
少年は目を閉じる。
少女が少年にどんどん近付く。少年は少女の息づかいを感じる。
少年は聞いた。
「なんなんだよ。いったい。なにがしたいんだよ」
「することなんて決まっているでしょ?」
少女は少年の目の前に立つ。
そして──。
「うわああああ!」
少年が目を開くと少女の顔があり、少しずつ遠ざかっていく。少年の下には川。少女が橋の上から突き落としたのだ。
「こんな悪天候だと、川に流されたら絶対に見つからないよね」
少女が笑顔でそう言った。
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