炎火《ほむらび》

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あれから10年の月日が流れ 俺は父さんの会社で 働いている 蓮はIT企業で開発者として働き 翔太は国立病院で外科医として 何人もの命を 救っている 翔太も結婚し奥さんのお腹には7ヶ月子がいる 蓮は彼女がいるが 結婚迄 時間がかかりそうだ たまに みんなで集まり 家族ぐるみで付き合って いる 俺の家は姉さんが住んでいた あの大きな桜の木ある家で 愛する妻と子供と 幸せな毎日を送っている 父さんも母さんも泊まりに来ては 2人の孫を可愛がってくれる 女の子真奈2歳 男の子 茂斗は まだ産まれて1ヶ月だ 俺は庭に出てガーデンテーブルに座り ビールを 呑みながら見ていた あの大きな桜の木が満開である 「真理姉さん 見えるか? 今年も桜の花が咲いたよ」 そこにヨチヨチ歩いて真奈が来た 「パパ〜」 「真奈か 抱っこしてあげようね ほら、桜の花が綺麗だね」 あの執念の炎火を 俺が見つけていなければ こんな幸せな人生を 送っていなかっただろう 今日もどこかで 誰かが 炎火を見つけている だろうか? それはあなたかも知れない....... [完]
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