炎火《ほむらび》

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運転手の木村がドアを開け待っていた 「社長この方が御子息の海斗様ですか 初めまして木村と申します」 「初めまして海斗です」 「俺 蓮です」 「翔太と申します宜しくお願いします」 「どうぞお乗りください」 みんな車に乗り込んだ ドアを締め運転席で木村が聞いた 「どちらへ?」 「真っ直ぐ行ってすぐのマンションです」 「はい」 車はすぐに着いた 小さな小汚いマンションを見ても 木村は 顔色ひとつ変えずドアを開けた 「待っててくれ」 「はい社長」 2階に上がり海斗の部屋に入った両親は 物珍しそうに見渡した 「ここで海斗1人で暮らしていたのね」 「狭いけど住み心地はいいよ母さん」 「そうなの ごめんなさいねうう」 「景子 どうしたんだ?」 「寂しかっただろうと思って.....」 「母さんそんな事無いって荷物纏めるよ」 「手伝わせて海斗」 「いいよ 大した荷物無いしそこに座って 待ってて」 その時だった俺の耳に姉さんの声がした 「姉さんなのか?」 「どうしたの海斗」 「ここに姉さんが居る」 「ええ何処に!」 「真理姉さん 姿を見せてくれ 父さんも母さんも姉さんに会いたいんだ」 「真理何処に居るの?ひと目でいいから 姿を見せて真理 真理」 「真理 父さんだ 姿を見せてくれ真理」
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