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「そっかぁ……。私はお母さんが私のことを生んでくれたこと、本当に感謝してる。お父さんがどんな人か知りたいって思ったこともあったけど、今は正直どうでもいい。まぁ、私が存在するにはお父さんの存在があったからなんだから、お父さんにもアリガトって感じかな」
真緒は少し照れくさそうに笑った。
「もし、あなたにお父さんと会いたい気持ちがあるなら、お母さんに気を使わなくていいからね」
晴美は真緒の目をじっと見た。
「うん、わかった。もし、その時が来たら、相談するよ。ねぇ、お母さん、お母さんは恋してないの?」
「ちょっ、何よ、いきなり」
晴美がわかりやすく慌てて、珈琲を一口飲んだ。
「だって、お母さんはいつも自分のことよりも、まず私のことだったでしょ? 自分の時間なんて全然なかったんじゃない?」
「うーん、どうかしらね。お母さんはあなたのことを1番に考えることが幸せだったからね。別に自分を犠牲にしていたつもりはないわよ」
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