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王城へ
翌日ーー
「え、女将さん本当?」と思わず聞き返してしまった
「あぁ。ウィリアムが、昼ごはんを持ってきてくれって、まぁ昼ごはんはついでらしいんだけどね。」
どうやらウィリアムは書類を忘れてしまったらしく、それを届けて欲しいとのこと。魔法で伝言が届いたそうだ。
(ウィリアムのお父さんも、お母さんも、家に入る時間じゃないしね…だからかぁ…女将さんにてことは私にかな…?)
ウィリアムの家にはお留守番魔道具があり、ノックをし書類を持ってくるよう指示すれば持ってきてくれるらしい。まぁ、ウィリアムの魔力の入ったものが必要らしく、渡されたハンカチを持ってウィリアムの家へ向かった
「今日は、ウィリアムの昼ごはん、届けてからでいいよ。」とのことで、ゆっくりしながら行けば王城へ昼ほどで着くだろう
そう思い、王都の真ん中ら辺をゆっくりみて回る
「あ、これ…」
店をみて回っている最中目に入ったのは王族の絵だった
普段、出回ることのない王弟の絵もあるようで何人かの女性が買っていた
(王族は顔がいい人多いから、人気なのよね…確か第一王子もすごい人気だって、でも、なんか良くない噂が最近あるけど…)
第一王子は最近学園で男爵令嬢にうつつを抜かして、婚約者の侯爵令嬢を遠ざけているとか。
「えっ……」ある一つの絵が目に止まった
「シュリアム……?」
銀髪に王族特有の緑の瞳…
(すごい、似てるな…まぁ、自分に似た人は3人いるっていうし、偶々かな?王族が街を出歩くわけないし!)
ただ、王弟とシュリアムは歳が同じくらいだろうし、とも思った
現国王とは歳が離れているらしく、息子と同じ年齢ほどらしい
(まぁ、髪も目の色も違うし、ね!)そう思い、絵売りの屋台から離れた
「あっ!」なんと辺境の方で人気のパン屋 “デリシャス”のパンが売っている屋台があった
「あれは…!ベーコンエッグクリームチーズパン!」
ベーコンの塩っ気に卵の甘み、クリームチーズのコクが相まってとっても美味しい!
(お祭りの時しかやってないのに!)
祭りの時や辺境の街に行かないと買えないのだ
まだ、行列も少なく、急いで並び買う
(あぁ〜!嬉しい!出来立てみたいでほんのり暖かいし、冷めないよう異空間へ入れておこ)と思い、唯一得意な魔法異空間へ入れる
中へ入れると時間の流れがないから腐ったりしないし、冷めることもない
だからウィリアムへの弁当も急がなくても冷めることはない
(ちょっと急ぎ足で向かおうっと!)そう思い、先ほどより少し早い歩調で歩き出した
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