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やらかした!!
(気まずい〜〜!)
かなりやらかしてしまったことを思い出し、なんともいえぬ気まずさが込み上げる
まぁ、やってしまったことはしょうがない。しょうがないのだ。
(でも、普段の私はあんなことしないよね…?おかしくない?)
大人しい、というわけではないが流石に人様の髪の毛を切ったりなんかしない。その場でハサミを持っててもだ。
「ねぇ、シリク。私が前髪切った人いるでしょ?」と陰に潜んでいるシリクへ声をかけた
ちょうど団長が席を立っていたのでシリクは素直に出てきてくれた
「あぁ、彼奴か。それがどうした」
「私、いくらなんでも初対面の人の前髪なんて切らないと思うの。あの時の私おかしくない?シリクがなんかした?」
「………………………俺のせいではないが、あいつの家にはやって来た者の本性が現れる香が焚かれているらしい。神獣には効かないがな、」と苦笑いをし、アルフィナは気にしなくていい。と言った
「でも、謝らないとまずいよね…?」
「気にしなくてもいいと思うが…そんなに気になるなら謝ったらどうだ?」
「そうするよ。で、どこにいるか知ってる?」
「……わからんな…まぁ、その辺を歩いていたらいつか会えるだろう」と呑気な解答が返ってきた
「はぁ、まぁいっか…」
シリクでも場所がわからないとなると、探し出すのは大変だろう。
***
星が煌めき、赤い星が主張するように輝く夜
「嫌な予感がするな…」男は空を忌々しそうに眺めていた。
今日は年に一度空が美しく輝く日であり、他の者は空の美しさに見惚れているにもかかわらず男は嫌そうにため息をついた
森の奥深くにある家へ帰ると、スープの良い香りがした。
「またそのスープを作ったのか。」と台所にいる女性にそう声をかけた
「えぇ、あの子が好きなものだからね。」と紫の瞳を細め微笑んだ
「そうか。ところで星を見たか?」男は女性ーー妻に近寄り窓を示した
「えぇ。なんだか嫌な予感がするの…フィーが心配だわ。」とため息を吐いた
「あの子の心配をする資格はない…」と男は寂しげに呟いた
「…そうかもしれないけど、産みの親だもの。心配したっていいはずよ。きっと親は黄泉の国からでも子を見守るはずよ」と元気に笑った
「まぁ、そうだな。」男は親という親がいないため、理解するのは難しいが妻がそう言っているのだ。
きっと、あの養父も心配しているのか?などと不思議に思った
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