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配信時に起きた出来事
それは、配信時に起きた。
「はいはいーい、来てくれてありがとうね皆ぁ」
“ども白!”
“やっほ〜”
と、リスナーさん達が挨拶してくれる
しばらく配信しているとこんなコメントが。
“生きるのが辛いです。今自ら命を絶とうとしていますが、どうしたらいいですか?”
何だそりゃ。
僕に救えと?
気づけば、口が先走っていた。
「そんなのさ、自分の好きにしたら?」
“え、白?”
「“俺”君が死のうが、生きていようがどっちでもいいんだ。」
「だってね?君と俺は他人。俺、他人の思考や気持ちに口出しするのは好きじゃない。何かと集中してる時に口出されたら俺は嫌になる。でも、口出されて、アドバイスと捉える人だって居る。だけど、俺は嫌だから“君に口出しはしないよ?”」
コメント欄も静寂になる
「俺、自分の人生は自分で決める事が一番だと思うよ。他人に決められた人生を歩むなんて、俺はそんなの無理さ。自分の人生、自分の道。それを決めるのは自分。だから、自分で考えてみるんだね。俺はもう何も言わない。好きにしな」
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“有り難う御座います。貴方の言葉に救われた気がしました。これから自分の人生は自分で決めて自分で歩むと、決めました!ほんと有り難う御座います!報われました”
「自分らしさを諦めないようにね。」
“すごい!人救ったんだよ!これ!”
「こらこらーこれって言うんじゃねーぞーw」
“ww”
僕が、何故こんな事言えるのかって?
そんなの、自分が経験してるからさ。
自分の経験が人を救えるなんて、思えないよ。
だって、この世には沢山の思いを持った人が居るんだ。
全員そうだ。
何もかも一緒の人だなんて
ドッペルゲンガーだよ。
怖いね。
出来る事なら、苦しむのは僕だけでいい________
なんて、変な事考えてれば
リスナーさんは言う
“人助け得意そう”
“確かに”
なんて、僕に無理な事言わないでよ。
「もー、僕には出来ないよ〜人助けだ…なんて。」
“えー出来ると思うのに!”
“だってさっき、人救ったじゃん!”
「それとこれは別ですぅ〜!」
“えー…残念”
“残念だな”
残念というコメントが流れる
「はいはいー残念だったねぇー。さて、そろそろ配信切るね」
“おつ白!”
“おつ白〜”
「はーい、おつ白〜!」
カチッ
そういって、配信を切る音が聞こえた。
やっぱり、僕、人助け無理。
人助けられないよ
生きてる中で必ず誰かが僕の知らない所で亡くなっていく。
救えるわけないじゃんっ…
馬鹿らしい。
今日はもう疲れたや。
ぱぱっと夕飯作って食べて、お風呂入って、
__寝よう__
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