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続いて、ミサ子は笑っている。
「あたしたちみんな彼氏いるし~!サっちゃんは結婚してるし~」
そう言ったあと、三人は面白そうに声を揃えて続けた。
「それに、青島くんが年上の女の人にしか興味ないこと知ってるし~!」
ひとしきり会話が終わると、女性三人組はまた違うところへと向かっていった。
「あいつら、高校時代から変わらんねぇ」
肩をすくめて笑う昇太に、樹と忠士もくすくす笑った。
「昇太ちゃんも変わんないよ」
「だな」
昇太は二人からそう言われて振り返った。
「樹のこと狙ったってどうせ年上しか相手にしないんだし、狙うならオレにすりゃいいんだよ」
「昇太ちゃんはいつだってウェルカムだもんな」
忠士が笑いながら言った。
「樹は彼女とどうなんだよ、学校の先生だっけ?」
昇太をいじっていた忠士が今度は樹の方を向いた。
学校の先生とは、以前つき合っていた麻衣子のことである。
「あー……別れた」
一瞬の沈黙が広がり、そして昇太が大声を上げた。
「えっ!?なんで!?」
「なんでって言われても、別れたもんはしょうがないだろ」
「じゃあさ、じゃあさ、オレと同じフリーなわけ!?」
昇太が嬉しそうに身を乗り出して聞いてくる。
「オレと樹は同じ境遇なわけか!」
ガハハと笑いながら昇太が樹の肩に腕を回してきた。
皿の上の料理が飛び跳ねるほど騒ぐ昇太。
そんなに嬉しいかというほどはしゃいでいる。
するとその時、ふと呼び止められた樹は声のする方向を見た。
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