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この前、レジーナ・シャルマンの童話を読みました。
今日はやよい生花店の義男さんが薔薇の花を一輪持ってきてくれた。
『この花で君にプロポーズでもしようかな』と冗談を言っている後ろに奥さんの小百合さんがいることに気が付いていない様子だった。
耳を引っ張られながら自分の店に戻っていった。
季節は薔薇の季節6月になった。
午後の時間のイラストは主に風景画を鉛筆で描いているのだけど、その合間に自分をキャラクターにして描いたりもしている。
そして気が付くと美澄さんの顔も描いたり....でも、すぐに消しゴムでけしてしまう。
最近は童話や絵本に少し詳しくなってしまった。
それは、どの本があの人が好きな本なのだろう....と考えながら注文して童話・絵本の品を充実させているからだ。
この前、おばあちゃんにもう少し発注をおさえるようにと注意されてしまった。
気が付けば私は自分で気になる本を自分自身で購入してしまう事が多くなった。
童話を読んでいると頭の中の創造性が活発になるような気がする。
時には、その短編童話の続きを自分なりに考えて書いたりもしている。
そして余白に挿絵として自分のイラストを付けくわえたりしていた。
*****
薔薇の花か....
「薔薇の花ってどうなってんの?」
ひとりごとを言いながらスケッチをしていると、
「万理望さん、絵が上手なんですね」
「わ、わーっ!」
「ど、どうしたんですか?」
「美澄さん! いつからそこに?」
と言いながら薔薇をスケッチした紙で、ノートを隠した。
「少し前に店内に入って絵本と童話をまわって....そうそう、最近、本が充実していますね」
「そうですか? 何かトーハンで童話フェアみたいのやっていたせいかも?」
「そうなんですか。でも、なかなか他の書店では無いような本もあってうれしいです」
「(*´ω`*)そうですかぁ。あ、あの、私、最近レジーナ・シャルマンの『海の子たち』を読んだんです」
「え? 万理望さん、レジーナ・シャルマンとか読むんですか? どうでした?」
「えっと.. 少し難しかったけど浜辺で海の精霊が子供の死を嘆く男に真の姿を見せる場面が凄く胸に来ました」
「そうですよね。僕もその場面が好きなんです。なんか目の前に絵が浮かんでくるんですよね」
「はい、そうですね」
「そうなんだ.... 万理望さんも童話読むんですね。さすが青葉書店さんです」
「そ、そんな、たまたまです」
「じゃ、僕はちょっと病院に行かなければならないので。また何か読んだものがあったら感想とか話してください。じゃあ」
「はい。お気をつけて」
『 やった 』と浮かれた心を鎮めるのに一生懸命だった。
それにしても、危機一髪だった。
スケッチはタキシードの胸に射す薔薇を描こうとしていたのだから。
そのタキシード姿の男性はもちろん....
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