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家へとつながる長い長い田舎道を小さな影がポテポテと歩く。
赤く燃える太陽を見つめながら胸に抱えるソレをみると、小さくフルフルと震えている。
ーまだこわい?
先程まで鴉に寄って集ってつつかれていたソレは幼い少女の胸に顔を埋めて答えた。
ーだいじょうぶ。ありがとう。
ーふふふ。どういたしまして。
くふふと少女は丸いほっぺを持ち上げて笑う。
紫色の雲が山に向かって流れている。
背後からは星の影がチラついていた。
ーお天道さんが沈む前にはかえるんだよ……
祖母の声が耳をかすめた。
夜と昼の間は「道に迷いやすく」「誘われやすい」。確かそんな時間に名前があったはずだ。
ーはやくかえろう。
胸の中のソレが小さくコクリと頷いた。
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