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「そうかなあ? とくに恥ずかしいとは思わないんだけど」  リオンを撫でていた尻尾の動きを中断すると、ライアーは立ち上がってレオへ尻尾を向けた。 「ほら、実際にレオも体験したら恥ずかしいどころか、もふもふして気持ちいいんじゃないかなあ?」  全体的に丁寧にブラッシングが施された毛艶のいいシルバーの尻尾を、ゆさゆさとレオの前で揺らすと、両手を突き出し全力で拒否されてしまう。 「い、いやいやいや。俺はお前たち二人の幼馴染じゃないから巻き込まないでくれ」  焦ったように捲し立てたレオに、リオンが「そうだな」と冷静に突っ込む。 「ライアーが俺にするスキンシップは、俺たちが幼馴染だからこそ赦されることであって、他の人には絶対にしたらダメだからな」  言い終えたところで、リオンは座位の姿勢のまま、ライアーの脇を掬うとそのまま向き合う形で抱き上げて、自らの膝へ座らせた。 「ひえ。なんだこの距離感!」  お化けでも目撃してしまったかのように、レオが百獣の王らしからぬ悲鳴を上げる。 「なんだこの距離感って、ライアーが小さい頃、俺を助けてくれたときからずっと俺たちはこうだもんね?」  どこから見ても抜け目ないアイドル顔で、リオンはこてっと上目遣いでライアーに向かって首を傾ける。  だからライアーもつられて、「そうだよ」と頷きながら同じ方向へ首を傾けた。  
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