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「……やっぱり二人とも、つき合ってるのか?」  どういうわけか、いつも二人がこうして密着しているとレオが同じ質問をしてくる。 「いや、それこそありえないよ」  一瞬、目の前のベージュの垂れ耳がぴくりと動いたように見えた。  けれど、それは見間違いだったようで、リオンの両耳はペタンと行儀よく下へ向いて垂れている。 「俺たちは幼馴染とはいえ、リオンは今や超人気アイドルだよ? 誰かのものになったらダメに決まってるよ。ねえ、リオン?」   高校入学と同時にアイドルグループのオーディションに合格し、たった二年半で国民的獣人男性アイドルとなったリオンが、人気絶頂の間に誰かひとりのものになるなんてあるまじきことだ。  遅れてリオンも、ベージュの髪をこくんと控えめに揺らす。   「ほら、リオンだって同意してるでしょ?」 「はいはい。もうその話、聞き飽きた。小学生の頃、リオンが草食獣人だってバカにされていたところをライアーが助けて仲良くなったっていう話だろ?」  かつて何度もライアーが説明してきた出逢いまでの流れを、飽き飽きとした表情でレオがぺろりと諳んじる。   「それに幼馴染は普通、膝の上に乗っかったり乗っけたりしないだろう。やっぱりお前らデキてるだろう?」  怪訝そうな顔で睨まれたライアーは、どうしてレオが二人の仲を誤解するのかがよくわからなかった。  今でこそ体格は逆転してしまったが、出逢った頃はライアーがいじめられたリオンをこうして膝の上に乗せ、慰めるついでに周囲へ牽制の意味も込めて、「これは俺のモノだ」と手を出せないように気を配っていたからだ。  そこまで考えてライアーは首をひねる。    
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