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「じゃ、じゃあ……」  動揺しながらも、ライアーはおずおずとリオンの手を取った。 「ん? ライアーどうした?」  不思議そうにリオンが真ん丸の目をより丸くする。  その仕草に、幼馴染としてのライアーの庇護欲がひどく刺激されてしまった。  もう、ライアーだけのリオンじゃないと十分わかっていたつもりなのに。 「リオン、立って」  リオンはもの言いたげな顔をしていたが、とりあえず指示通り素直に椅子から立ち上がる。  すると、まるで椅子取りゲームでもしていたかのように、ライアーがそこへぴょこんと腰かけた。  リオンとレオが揃って、ぽかんとする。  だから間髪入れずにライアーは、自身の膝の上を二度叩いてリオンを呼び込んだ。 「リオン、ここ!」  戸惑いの表情を帯びたリオンよりも先に、怪訝そうなレオが口を開いて確認する。 「……ライアー、お前は一体なにを始めるつもりなんだ?」 「なに、って、アイドル様の膝の上に乗るのは恐れ多いから、昔みたいにリオンが俺の膝の上に乗ってくれたらいいかなと思って」  だから遠慮なく座って、と再び膝を叩きながらリオンを見上げた。  心なしかリオンが戸惑っているようにみえる。 「どうしたの? リオン、座っていいんだよ?」  両手を拡げてライアーはリオンを待ち侘びたが、座りそうな気配は一向にない。  ただ脇に立ち、困惑した表情でライアーを見下ろしているだけだ。  一体なにを躊躇しているのだろう。   「だから結局どうしてそうなるんだ?」  解せない顔でレオは、ライアーとリオンを交互に見つめた。 「そうなるって?」  アイドル様を尻に敷くのが悪いと思い、ライアーの膝の上に乗せようと思ったが、第三者からするとこの対応もおかしいらしい。  
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