釜めし 春

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釜めし 春

噛み締めると肉汁がじゅわっと溢れるようなプリッとした鶏肉に 少しべとつく甘口の醤油の香りのするタレをぽってりと乗せ 串の先が少し焼け焦げるくらい焼いたキラキラと照のある焼き鳥 噛み締めると溢れる肉汁と タレの甘さに舌鼓を打ちながら メインの釜めしを待つ 少しそわそわと キョロキョロと周りを見合わす 目と目があえば楽しみだねと笑いあう 釜めしが炊き上がるまで25分 焼き鳥を平らげ、今か今かと待つ 童心に帰る お釜ごと配膳される釜めし 熱がわずかに残る厚い蓋を 押し戴くかのごとくふわりと持ち上げれば 広がる三つ葉の香り 続いて出汁の香りが鼻をくすぐる しゃもじでさっくり混ぜれば おこげが見える 唾液が口に溢れてくる お釜の向こうに満面の笑み お茶碗によそっていただきます 冬の始まりを感じる今なら 牡蠣釜めしと五目釜めしだろうか?
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