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やきとり宮川
素材を引き立てる素材を味わうには塩が良いと
猫も杓子も塩で
天ぷらも塩
焼き鳥も塩
最近ではそばさえ塩で食べる人もいる
私も塩で味合う天ぷらも
焼き鳥も好きだ
おそらくそばも美味いはず
でも一周回って
塩には塩の
タレにはタレの良さがある
炭火で脂を程よく落とし
ねじり塩で少々マイルドになった塩を纏った焼き鳥は
皮だったらカリっとして
あとから脂があふれ塩気とあいまって口でとろける
もも肉だったら口でぷりっと肉がはじけ
肉汁と塩気が溢れるだろう
塩もうまい!
だが「秘伝のタレ」
なんて甘美な響きだろうか
継ぎ足しの歴史のある味
それを纏う焼き鳥がまずいわけがない
甘さのある少しとろみのあるタレに
こんがり焼いたものを串ごとひたし
また軽く炙る
香ばしさと口で溢れる脂に
タレの甘さ、塩気、複雑な味わいが一体化していく
焼き鳥塩にはない深い味わい
皮でももも肉でもそうだ
串から外したりせず、大きな口で頬張ると
肉の弾力,溢れんばかりの肉汁
タレの深い味わいが広がる
店主が日々部位別に塩やタレを見極めて
お任せで提供される焼き鳥
ねっとり絡むような鳥のレバーのコク
あえて塩でも
タレでもそれぞれに違う味わいが楽しめる
素材を味わう塩
その素材をより引き立てるために
長年研究されたタレ
それぞれ味わいたい
カリっとした食感に香ばしい香りが鼻をくすぐる
鋭い尖ったような塩気が
口の中で脂とまざりマイルドになっていく
熱々を頬張る
脂のあふれる肉に秘伝のタレを纏わせて
脂が少しタレに溶け出しマイルドになり
さらにそれを炙り香ばしさを増す
ザクっとする焼き色の濃い部分
タレと肉汁が噛み締めることで溢れる
塩かタレかどちらが良いとか関係ない
些細なこと
両方味わうのみ
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