怪しい隣人

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怪しい隣人

マンションの隣にだれが住んでるかなんて気にしたことはないけど、今朝たまたま大学へ行こうと部屋を出た時、隣のドアが開いて出て来た人を見て目が点になった・・・・・・いけないとわかってはいても目を逸らせなかった。 ウワァ!こいつなに・・・・・引きこもり?・・・・・おたく?・・・・・部屋から出てきたからまだしも、外で見かけたらきっとホームレスだと思っただろう。 見かけで人を判断したくはないけど・・・・それにしても隣に住んでる人がこんな人だったとは・・・・・ 入学して半年・・・・始めて見た隣人・・・・・髪はぼさぼさグチャグチャ、長い髪が顔まで覆っていて黒縁メガネ・・・・着ているものはグチャグチャの皺くちゃだらけのトレーナー・・・・ ズボンも皴だらけの色あせたスエット・・・・・足元は薄汚れたボロボロのスニーカー、靴紐も結んであるけど、だらけてほどけそうで引きずりそう・・・・・・ 臭ってきそうで一緒息を止めた・・・・・ 目が点になりそうとは言いながら・・・・・しっかりと足元から頭のてっぺんまで見た・・・・ 隣人は軽く頭を下げてエレベーターに乗るために廊下を歩いていった。 同じエレベーターには乗りたくない、そいつがエレベーターに乗ったのを確かめて隣のエレベーターのボタンを押した。 このマンションは自分で言うのも何だが・・・・学生専用の安い賃貸マンションとは違う。 どちらかというと・・・・いやどっちかって言わなくても立地はもちろん低層階の広々とした間取りとゆったりとした空間・・・・・ 各階2世帯でマンション専用の広い庭・・・・入口には受付があって女性の受付嬢がいる、警備員も24時間常駐していた・・・・ 狭い敷地に立つタワマンと違ってあらゆるところに住人専用の施設があり、屋内プールはもちろんジムもあり、屋上には庭園があってビルの屋上とは思えない素晴らしい和風庭園だ。 夜は住人の憩いの場となっていらしい・・・・行ったことはないが・・・・・ 俺の名は長谷部 駿(はせべ しゅん)、なぜ俺がこのマンションに住んでいるかと言うと・・・・・・俺は両親ともに3年前に航空機の事故でなくなった、その保障費用と父の会社の株式譲渡で得た遺産が18歳になったと同時に自由に使えるようになったから。 だからといって俺はその金を贅沢に使う気はない・・・・・しっかりとした生活設計を立てて将来を見据えて使うつもりでいる。 生活を充実させるためにも住む場所は厳選した・・・・ そして選んだのがこのマンションだった・・・・・ その選び抜いたマンションのしかも隣に・・・・・・いや、見た目で判断するのは辞めよう・・・・・
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