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あいつはどこ?
一階に着いてエレベーターのドアが開いた瞬間エレベーターから出て辺りを見まわした・・・・
マンションのエントランスの明るい雰囲気の中そいつの姿はなかった・・・・・ホッとした・・・・・何処へ行ったのだろう?
あの格好であいつはどこ行くんだろう・・・・・仕事かな?まさかな・・・・コンビニ?・・・・・ぶらぶら?
妙に気になった・・・・・が・俺には関係ない。
俺には楽しいキャンパスライフが待っている・・・・授業が終われば友達とおしゃべりをして・・・・・・・昼は学内にあるCafeで軽いランチを済ませた後コーヒーを飲む・・・・
いつもののんびりとした時間・・・・・そう・これこそが俺が描いていた学園生活だ・・・・・
中高は男子校だったから女子との絡みは全くなく、女子と一緒に出かけたりとか一緒にCafeでお茶するとか・・・・・妄想していた現実がいつでも手に入るかと思うとたまらない・・・・・
まだその機会はやってきてないが、その気になれば女子は周りにいっぱいいた・・・・・・
友達との話題も女子の事・・・・・彼女がいるとかできそうとか・・・・・できたらどこ行こうとか・・・・・食事するなら何処がいいとか・・・・・話してるだけですでに彼女がいる気分を満喫出来る。
朝見かけた隣人のことなどすっかり忘れていた・・・・・
授業が終わって帰りスーパーで買い物をした、食事はできるだけ自分で作って食べる事にしている・・・・・料理は嫌いじゃないしコンビニのお弁当を買って食べる事はむなしさしか感じないと思っている。
たとえ身内がだれ一人いない一人っきりだとはいえ自堕落な生活をする気はない・・・・友達をマンションへ連れてきて騒いだりするのも嫌だから、この住いも秘密だ・・・・・
卒業しても働く必要ないほどの資産はたっぷりあるが就職して結婚をして家族を持つ・・・・・俺の未来予想図ははっきりと決まっている・・・・・
マンションへ戻ってエレベータを降りて部屋のドアの前に立った時朝の衝撃的な出来事を思い出した・・・・・・
そうだ・・・・・隣の部屋にあいつは居る・・・・・・いったいどんな部屋なんだろう・・・・・
考えただけで・・・・・・自分の部屋まで汚染されそうな気がしてくる・・・・・
隣の部屋と言ってもベランダは向きが違っているから接点はない・・・・・たぶん同じ間取りでも背中合わせの設計になっていたと思う・・・・・・隣の部屋と壁を共有しているわけではない・・・・・それはわかっていても・・・・・あいつを見なければどってことはなかったのに・・・・・今まで半年知らなかったからよかったのに・・・・・
忘れよう・・・・・・そう自分に言い聞かせた・・・・・・
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