相応しい男になりたい

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相応しい男になりたい

隣人のことを毎日妄想しているといいアイデアが生まれた。 【妄想アプリ】って奴を作ってみた・・・・・好きなタレントやアイドル、クラスの片思いの奴、誰でもいいから好きな人を一人決めて性格とか姿かたちを好きな子に設定していく・・・・ そしてその子を振り向かせる為に日々その子の相手をしていくうちに好きな子がどんどん変化 していって自分の方を振り向いてくれる・・・・・気に入らないと振られることもある・・・・好きな子は自分に対する態度が変化していくから現実にその子と恋愛している気分になれる・・・・・このアプリは結構人気が出てダウンロードの数も増えていった。 俺も一応スマートフォンに入れて文哉相手にやってみた・・・・・今の所好きな時間に話したりお茶したりってとこまでこぎつけた。 学業のほかに個人投資家としての事業もうまく起動し始めた、3件ほどの新進の企業家への投資がうまくいって投資した企業の業績もUPしている、業績が上がれば投資した金も戻ってくるし収益からの収入も入ってくる。 WEB事業の方はスマートフォンアプリが軌道に乗ったことで企業譲渡した。 それによる収益も結構よかった、卒業したら本格的には個人投資家としてやっていくつもりでいる。 自分で企業を立ち上げるには信頼できる仲間がいないと自分一人ではだめだと感じた・・・・・ 大学も3年後半になって授業を受けることも少なくなった・・・・・部屋から出ないとお隣さんに逢う機会もない。 敢えて用事を作って部屋から出るようにしても逢えない時は逢えない・・・・・・ 隣なんだからドアをノックしてみれば逢えるとは分かっていても・・・・・とくに逢う用事があるわけでもなく・・・・・ノックしてあのメガネ野郎が出て来たら・・・・・・そう思うと偶然を待つしかなかった。 今日も用もないのにコンビニへ行ってみた・・・・・本を見たりお菓子を見たり・・・・・取りあえず飲み物をあれこれ買った。 結構重い・・・・・冷蔵庫には飲みきれないほどの飲み物が入っているって言うのに・・・・・ 一日一度の外出を決めたので今日はスーパーへ行こうと部屋を出た、ドアを開けるとすぐに隣のドアが開いた・・・・・・ ドアを閉めるのも忘れて隣を見ると居た・・・・・・憧れの彼が・・・・・・そこに居た・・・・・・ 「文哉」 とっさにそう呼びかけていた・・・・・・・ あぁ~しまった~~~ 妄想しすぎた俺の頭の中でつい・・・・・ 「すいません、お久しぶりです・・・・・・文哉(ふみや)てつい呼んでしまいました・・・・・」 「久しぶりだね・・・・文哉でいいよ、そう呼んでくれて嬉しい・・・・俺も駿(しゅん)って呼んでいいかな?・・・・」 「ええもちろんです。よかったぁ~~じゃぁ・・・文哉って呼ばせてもらいます」 「呼ばせてもらいますって・・・・・もっとフレンドリーでいいよ・・・・友達になろ」 「・・・・はい」 「どこ行くの?」 「あぁ~~ちょっと本屋へ・・・・」   スーパーとは言えなかった・・・・・
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