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「そろそろ、解禁したら?」
「えっ?解禁って何を?」
「恋愛だよ。」
「はっ?何言ってんの?アタシ、恋愛なんかもう…。」
「だめだよ!そんな事言わないでくれよ。」
「言わないでくれって…?アナタが言わせてるくせに。」
「…ごめん。」
「謝らないで…。謝るくらいならずっと傍に居てほしかった…。ずっと、ずっと、ずっと…。」
「・ ・ ・。」
「もー、都合悪くなるとすぐ黙るんだから。ははは…違うか。
初めから何も言ってなかったか…。ははは。」
「・ ・ ・。」
「もー、何か言ってよ!って言うわけないか…。は、ははは…。」
「・ ・ ・。」
「心配しなくても大丈夫だよ。アタシ1人でも平気だよ。だってアタシが新しい恋人なんか作ったらアナタ寂しがるでしょ?
それにね、アナタ以上にアタシを愛してくれる人に出会える気がしないんだ。
だってさぁ、天国から見守ってくれる彼氏なんて最強だもんね。だから一生見守っててよね!」
毎年やってくるアナタのもう1つの誕生日。ロウソクの代わりに線香を1本立てる。もう幾度となく同じ会話をしただろうか?
「まだまだ恋愛解禁日は訪れそうにないかもね。」
写真たての中のアナタはいつだって笑っている。
─完─
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