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「あ~、こらこら。これはキミ達は飲めないの」
さっそくそのワイングラスを覗きこもうとしたミニブタの鼻先を、人間が手で押し戻す。
「はいはい、あんたもダメ」
ウサギもローテーブルに前足をかけて身を乗り出している。それをもう一人がやめさせた。
ミニブタとウサギは、たちまち不満顔になった。
二匹は、深緑色の瓶から透明なグラスに注がれた、黒っぽい赤色の液体が気になっているである。
その液体は暗い赤色をしているくせに、不思議と透き通っている。見たこともない色だ。何だか良い匂いもするぞ。
「すごい興味津々にしてる…。ちょっと飲ませてみようか?」
「ダメだよ。こんな小さな体の動物にアルコールなんか飲ませて、どうにかなったらどうするの?」
「それもそうか」
だが、ミニブタとウサギがそんなことを聞き分ける訳がない。人間が阻止するのにもめげずに、ローテーブルの上に顔を近づけようとする。
「こら~。やめなさいってば」
「どうする?これじゃご飯を食べられないよ」
「しょうがない。あっちに移動しよう」
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