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2.
二匹は諦めた訳ではなかった。
何とかしてあの赤黒い液体を飲んでみたい。それには作戦を練らなければならないのだ。
ミニブタとウサギは考えた。
そんなに長い時間でなくていいから、人間をダイニングテーブルから引き離す。そしてその間に、あの赤黒い液体が入った透明なグラスの中に、鼻先をちょっと突っ込めばいい。
まず椅子に登って、その次にダイニングテーブルの上に飛び乗ることができるかいと、ウサギがミニブタに尋ねる。
できるさ!と、ミニブタは答えたが、ウサギは懐疑的な目を向けた。
本当に?きみ、最近ちょっと太ったよね。まあ、いい。もしもできなかったら、ぼくがテーブルの上からあのグラスか瓶を落としてあげる。
よし。じゃあ、どうやって人間をあそこから引き離すかだけど…。
これを倒せばいいんじゃない?ミニブタは、寝室の壁際に置いてある木製の本棚を見て言った。
その本棚は高さが1メートルくらいの小振りなもので、本もそんなに詰まっていない。上のほうの段には置き時計やリンゴの形の小物入れなんかも飾ってあって、どちらかというと飾り棚みたいな感じで使われている。
だから、そんなに重くない。二匹が協力して何とかすれば、倒せそうな感じだ。
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