魅惑のびぃーのろっそ ～ミニブタとウサギ（rosso）～

２．

　しかし、ウサギはこの本棚の一番上にある、多肉植物が気になった。
　あれがひっくり返るのはかわいそうだよと、ミニブタに主張する。
　うん、分かったと、ミニブタも同意する。ミニブタもあの多肉植物を気に入っているのだ。

　じゃあ、あれは？
　次にミニブタが指し示したのは、机の上のノートパソコンだった。
　え～、あれ？だって、机の上に登らないといけないよ。ぼくは登れるだろうけど、あれ、一人じゃ重たいし。
　そう言って、ウサギは難しい顔をする。
　これを聞いたミニブタは、登らなくても落とせるさと、胸を張った。
　この、下に垂れさがってる黒いコードはね、あれとつながってるんだ。だから、これを引っ張ればいいのさ。
　ふうん。
　ウサギはやはり気乗りしないようだ。
　やめとこう。こういう、電気がつくと絵が映るものをどうにかすると、多分、人間はとても怒るよ。

　ウサギにこう言われて、ミニブタは、テレビ台によじ登った時のことを思い出した。テレビ台の上に立って、それに乗っている薄型テレビを前足や後ろ足でビシバシやったら、人間がものすごく怒ったのだ。
　うん、やめとこう。そもそも、お仕置きでケージに入れられちゃったりしたら、この作戦は失敗だしさ。