ぞうきん界に戻れない

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第一話 ぞうきん界に戻れない  ここはぞうきん界、ぞうきんが喋って歩いて寝る世界。ぞうきんが人間のように生活している世界です。その中に本好きなぞうきんがいました。  その名前はアレクチャ・ノードン。今作の主人公です。おや?どこか向かって行くみたいですよ。ついていってみましょう。  アレクチャ(以下「ア」と表記)「今日はどんな本があるかな」 司書(以下「司」と表記)「もうここの本なんかとうに読み尽くしているのでは?」 ア「いやいやまだまだだよ」 司「それにしても貸出カードの履歴が異常に長いのですが」 ア「まあもう累計5000冊くらいは借りてるからね」 司「えっ」 ア「累計だからね」 司「普通に累計100冊くらいの人、多くいますよ」 ア「そんなことより転生の仕方が書いてある本ってないかなー」 司「界ワープのやり方が書いてある本ならありますよ」 ア「界ワープって何?」 司「そもそも界をご存知ですか?」 ア「知ってるよ。今僕らがいるぞうきん界の他にも他の知的生命体が住んでいるところがあって、それは互いに別の界なんだよね」 司「そうですね。その界を移動することを界ワープと言います」 ア「転生と何が違うの?」 司「転生は記憶が残ったまま生まれ変わることです。そのときに界も変わることがあります」 ア「そうなんだ。とりあえずその界ワープの本を試してみるよ。」 司「ちゃんと本は最後まで読んでくださいね」 ア「わかった」  アレクチャの家 僕は嬉しかった。ついに他の界の本が読めるんだ。そう思い、最初の1ページをめくった。  三分後、ついにやり方が書いてあるページに行った。早速試した。  もうその時には司書の最後まで読んでくれとの指示は忘れてしまった。しかしこのことが原因でのちに困ることになる。しかしアレクチャはまだ知らない。  人間界 ア「ヤッター」 ア「ついに人間界に来たぞ」 僕は歩き出した。人間界の図書館に向かって。  図書館 ア「どんな本を読もうかな」  早速素晴らしい本を見つけた。 ア「素晴らしい」  しかも読んだことのある本が一つもないのだ。これは楽しいぞ。  10分後 ア「よしこれで戻ろう」 ア「どうやって戻るんだっけ?」 全く思いつかない。わからない。 ア「戻り方まで読んでなかった!」 ア「あーーーーーーーーーー」 果たしてアレクチャはぞうきん界に戻れるのか、第二話に続く。
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