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VR機材のレンタル期間後は、箱に戻して宅配業者に集荷依頼を出すだけだ。
返却時に箱に貼るラベルも同封されているので、何も不便なことはない。
私は、イタリアをVR旅行した後、別の日にアメリカや国内のVR旅行も楽しんだ。
次はエジプトでも行ってみようか。
なんて思っていた矢先、ニュースで鎖国とロックダウンが再来月に解除されると報道された。
「いよいよ、バーチャルではなく現実で旅行することができるわけですね」
「観光地へ行きたいと焦がれていた人は多いのではないでしょうか」
アナウンサーがカメラ目線で微笑みながら告げる。
海外旅行は値段がするし、国内の観光地に1泊2日で旅行しようかな。
そんなことを考え、せっかくだから観光地で食事や買い物がしたいなと店を検索してみる。
数年前に保存したインフルエンサーのSNSの投稿を探し、気になっていたお店や場所をピックアップする。
「そうだ、京都行こう」
目的地を定め、寄りたい場所も数か所に絞る。
それからホテルの予約をしようと、目的地周辺のホテルを探した。
報道があったからか、安いホテルも高いホテルも満室になっていて、予約が取れない。
数日、予約サイトをこまめにチェックし、キャンセルで空いた部屋を再来月の半ばに取ることに成功した。
どのホテルも空いていないから仕方ないのだけど、決めていた予算よりも少し高いホテルになってしまった。
ホテルが取れた後も暫くサイトをチェックしていたけど、それっきりキャンセル枠は出なかった。
より安いホテルを探すことは諦め、私は交通機関を調べたり、必要に応じて指定席を予約したり、旅行の準備に勤しんだ。
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