先輩

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先輩

悟くんは俺の一個上の先輩。 部活の先輩を通して話すようになってから、時々こうやって2年の教室まで来て、俺に近況報告をしてくれる。 だけど、そんな悟くんの目には俺なんか映ってなくて、その視線の先にはいっつも保住先輩… そのクリクリの瞳に俺を映してくれる日は来ないまま、きっと卒業していってしまうんだろう。 「尚人ぉ…俺、凜ちゃんに告った」 「…マジ?」 醋 「うん、でもフラれちゃった…」 「あ、そぉ…なんだ」 少しほっとしたような… なんかちょっと切ないような複雑な心境だ。 「凜ちゃんね?悠ちゃんの事好きなんだよ?」 「え?そうなの?」 「うん…なのに言わないんだって」 「ん…まぁそりゃ、みんながみんな悟くんみたいにオープンにできるわけじゃないと思うけど…」 「そぉかなぁ…」 「そうだよ…?」 「そっかぁ…」 自分がフラれた事よりも、保住先輩の事が心配で仕方ないらしい。 そんな優しい悟くんが、俺は好きなんだ。
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