ラブリー・スノー・ホワイト

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ラブリー・スノー・ホワイト

 昔々、ある国のお城にて、美しいお姫様が誕生した。  赤ちゃんの時から“これは絶世の美女になるに違いない!”と何故だか確信した王様は、お姫様に白雪姫と名付けることにしたそうな。万が一名前負けするような容姿、もしくは性格になったらどうするんだとツッコミをする人間は誰もいなかった模様。お妃様も従者たちも親戚もみんな親馬鹿だったのでどうしようもなかったのだろう。  そんな白雪姫はすくすくと育ったのだが。  ある日お妃様が“森にちょっと熊を狩りに行ってくるわ”と出かけてしまい、挙句馬から落ちてあっさり亡くなってしまうという事件が起きた。  悲しみに暮れる城の者達。十歳になった白雪姫は心の底から思ったという。 『なんでよりにもよって自分で熊を狩りに行ったの!そんなの家臣に任せればよかったでしょ!』  そもそもどうして熊なんだ、と突っ込む人間はやっぱりいなかった。家臣は“いやいやいやいや俺達にも任せるなよ無理だよ”と思ったとか思わなかったとか。  嘆き悲しむ白雪姫を見て、王様は思ったという。 『そうだ、再婚しよう!新しいお母さんが来れば、白雪姫も元気になるはずだ!』  人、それを最大の過ちという。  子供の了承を得ずに再婚すると大抵トラブルの原因になる。平和ボケした王様はそんな簡単なことにも気が付いていなかった。  とある貴族の家から美魔女が嫁いできた。美魔女というのは年齢のわりに若く美しかったというのもあるし、本当に魔法が使える魔女だったからというのもある。  王様の思惑とは裏腹に、白雪姫はお妃様にちっとも懐かなかった。  お妃様も自分に懐かない白雪姫が可愛くなく、両者の溝は深まる一方だった。  さて、ここまでがこの物語の大前提。  本編は此処から始まるのである。そう、十二歳になった白雪姫が“そうだ家出しよう”と思い立ち、森の七人の小人の家に行ってしまってからだ。  そこ、いろいろショートカットしすぎだとか言わないように!
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