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「そんなお顔をなさらなくても、アイリス様は素晴らしい神気をお持ちだと思いますよ?」
アイリスの気持ちを察したらしく、アレクシアが優しく微笑みかけてきた。
「今はまだ本来の力の1割程度程しか無いですけど、成長期を3度経て立神すれば、きっと天界中にアイリス様の神気が満ちるでしょう。20億年生きてる私が言うんだから間違いないですよ」
立神と言うのは大人になり、一人前の神になる事を言う。
「20億年……。途方もない時間ね」
「そうですよ。そんな途方も無い時間を掛けて生まれてきたのがアイリス様なんですから。神は子供が生まれる時、父親が立ち会うなんてことしませんが、フレイ様なんて嬉しすぎてわざわざやって来られたんですから」
「普通は父親は立ち会わないの?」
「生まれるまで誰が父親か分かりませんからね。アイリス様だって自身がお生まれになってすぐ、父親と母親が誰なのかを仰っていたではないですか」
言われてみればそうだった。何も考えず、口からついて出てきたので意識していなかった。
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