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「あら? でも何で、生まれるまで誰の子か分からないのにフレイ様はいらっしゃったのかしら」
「それはリアナ様とフレイ様の間にだけ、子供がいなかったからですよ。リアナ様にとっても、フレイ様にとっても、アイリス様が最後の子です」
「最後の子?」
なぜ最後だとキッパリと言いきれるんだろう。
「はい。天使は1組の男女から何人でも子を成しますが、神は1組の男女で1人しか子が出来ません。しかも、自分と同じ階級か、1階級違いの神との子じゃないと出来ませんね」
階級が離れすぎると一方の神気が強すぎて、もう一方の神気が負けて上手く混ざり合わない、という事らしい。
「その法則でいくと、リアナ様は他の神との子は既に居て、フレイ様との子だけがいなかった。という事ね」
その通り、とアレクシアが頷く。
と言うことは、自分もいずれ立神したら色んな男神との子を産むことになるのだろうか。全く想像がつかないけれど。
「神は博愛の精神をお持ちですから。天使と違って誰か1人とだけ愛し合う、なんてことはないです。まだ生まれたばかりですから、あんまり実感が湧かないでしょうけど」
ここでアイリスは、ふと疑問に思う。それなら神と契約を交わした守護天使はどうなるのだろう。守護天使もまた主と共に不老長寿だ。
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