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神の妊娠・出産は、天使や他の生き物とはかなり異なる。
まず腹が大きくなる事もないし、つわりと言った体調の変化もない。ただ、自分の持つ神気とは別の神気がどんどんと増していくのだ。
そうしてひと月程すると、今度は膨れ上がった神気を「どうしようも無く外に出したい」と言う衝動に駆られる時が来る。これが出産だ。
リアナもまた妊娠している事を教えた水の守護天使達とフレイ、そしてフレイの守護天使達以外には知られること無くひと月を過ごした。
いつも通り昼食を食べ終えリアナが再度仕事に取り掛かろうとしていた頃、それはやって来た。
早く外に出したい。
唐突にその衝動に駆られ、両腕でギュッと自分を抱いた。
腹の奥底に宿る神気が「外に出たい」とうねりを上げ、鼓動を打つようにドクドクと波打つ。
「ドレイク、いよいよ来たみたい。フレイに連絡してちょうだい。それから水の守護天使以外は絶対に部屋に近づけてはダメよ」
普通、神の子は生まれるまで誰の子か分からない。それ故に父親が出産に立ち会うなんて事はまず無いのだが、今回は誰の子かハッキリとしていたのでフレイを呼ぶように指示を出した。
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