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「そう。私とリアナの子で、海の神のネプチューンは癒しの力を使える。同じく三大神同士の子である其方も使えるのではないのかと思ったのだ」
「その……試してみたことがないので分かりません。」
「それなら今試してみたらいい。汚すといけないから表へ出よう」
セフィロスは立ち上がると、庭の方へと向かって行く。
外へ出るとセフィロスはアイリスに近くへ来るように手招きする。そして自身の袖をまくり短剣を取りだした。
一体何を……? と言いかけたところで、セフィロスは腕に刃を当て、スっと剣を引く。
つうっと一筋の赤い線が浮かび上がり、ポタリと血の雫が落ちていった。
「セ、セフィロス様?!」
「この位、大した事はない。それよりもこの傷を神気を使って治してみてごらん」
戸惑うアイリスにセフィロスが手本を見せる。
「最初は傷口に手をかざしながらやってみるといい。手のひらに自分の身体に流れる神気を集めるようにして、治った後の腕を想像してみる」
セフィロスが傷付けた方とは反対の手を傷口にかざして離すと、次の瞬間には傷が跡形もなく消えていた。
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