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小さな顔に収められているのは、長いまつ毛に縁取られた大きくパッチリとした丸い瞳にふっくらとした桃色の唇。そして透明感のあるつややかな肌と、毛先が緩やかに波打ちサラりと流れる髪。成長して大人になれば、さぞ美しい女神になることが容易に想像できるような容姿。
少女はこちらに視線を向けると、すぐに膝を折り挨拶をし始めた。
「太陽の神・フレイ様と水の神・リアナ様との子で、虹の神アイリスと申します。産んでくださり、感謝申し上げます」
「ドレイク、布をかけてあげなさい」
かしこまりましたと返事をしたドレイクは、一糸も纏わない少女の身体に用意しておいた布をフワリと巻き付けた。
「さあ、アイリス。あなたの守護天使となる者に名を与え、契約を交わしなさい」
リアナの言葉にこくりと頷いて返事をすると、アイリスは自分の周りを囲うように輝いていた光の玉の一つを、そっと手のひらに乗せた。
「どんな者にそばにいて欲しいか、頭の中でイメージしながら命を吹き込むのよ」
「分かりました」
手のひらに乗せた光の玉を愛おしそうに見つめながら、アイリスは言葉を紡いでいく。
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