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2. 授業
「アイリス様、お加減はいかがですか?」
「すっかり良くなったわ。ありがとう」
水の守護天使のアレクシアが心配そうに尋ねてきたので、アイリスはニコリと笑ってベッドから身体を起こした。
自分が生まれたのは、ほんの数時間前の事。
服を着て身だしなみを整えると、アレクシアが食事を用意しくれた。
こんがりと焼かれた鶏肉のソテーにオレンジソースがトロリとかかったサンドウィッチ。それを見た瞬間、アイリスは妙な嫌悪感に襲われた。
「食べたくない」と強く思ったけれど、自分の守護天使は主あるじが手をつけるまでは食べられない。なによりせっかく用意してくれた食事を、手をつけずに突っぱねるなんてマネは到底出来ない。
そうして無理矢理口の中に肉を入れて飲み込むと、急激に気持ちが悪くなって全て吐いてしまった。
驚いたアレクシアがすぐさまリアナを呼び、癒しの力を使ってくれだが、全く気分は良くならない。ならばと今度は聖水を飲ませてくれた。
すると、あっという間に身体を覆っていた嫌悪感が消えたのだ。
リアナの話では、どうやら自分は菜食主義者のようだ。いや、肉や魚と言ったものを身体が全く受け付けないと言った意味では、アレルギーと言った方がしっくりくるかもしれない。
聖水は身体の穢れを浄化する作用がある。癒しの力が効かずに聖水が効いたということはつまり、生臭物を食べると身体が穢れることを意味していた。
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