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【ひとつだけ言わせてください…好きには…異性同性ありませんよ?たまたまその人を好きになったってだけです】
「うん、そんなの飛び越えて…好きなのか」
【ええ、私もそうです。私は元々ゲイだったので…こうゆう仕事柄毎晩違う相手と遊んでましたが…ある日見つけたんです…絶対に欲しいと思った人が】
「そうか…でもさ、そもそも好き…なんて言われてないし?カクテルだけだし?」
【ふふ…わかってらっしゃるクセに…遠慮…してるんでしょうね…貴方が美人な女性が好きなんだと最初からわかってるんですから】
「あんな百戦錬磨みたいな人が?」
【本気だからこそ…じゃないでしょうか…言いたくても言えないんです、気持ち悪いなんて言われようもんなら立ち直れませんからね】
「そんな事言わないのに…」
【私もそうでしたが…ノンケと付き合うって本当に覚悟がいるんです。運良くくっ付けたとしても、いつ「やっぱり女がいい」って言われるかビクビクして…】
「俺はそんな事しない」
【そう思うなら、そう言って差し上げたらどうですか?】
俺も大概酔っていた
マスターの話でつい
そして手元にあるコースターを眺めながら電話をかける
プルプルプルプル
『はい、渡瀬です』
あ…この声だ
「ご無沙汰してます、片島です」
『……』
「今どこです?」
『ホテル…明日帰るから』
「会いたいんですけど…出て来れます?」
『ああ…構わないよ。いつもの?』
「はい、じゃ後で」
はぁ〜久しぶりに聞いた声、これだった
【なんと?】
「今から来るってさ」
【間に合って良かった】
「明日…帰るそうだ…」
【寂しくなりますね?】
「……」
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