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俺と優香が出逢ったのは、うちの会社のグループ企業の研修だった 二泊三日でみっちり、最終日の飲み会で席が隣だっただけ 優香の第一印象は綺麗な人…感想はそれだけ あの時は向かい側に座った男性に心奪われたっけ とにかくイケメンだった、歳はあまり変わらないと思う スッキリ整えた短めの髪、袖を捲ったブルーストライプのワイシャツ 優香から言われて連絡先交換しようとして…睨まれたんだよね (ああ、彼女のことが好きなんだな) そう思った (大丈夫、どうにかなんてならない) そう思った (頑張って下さいね) って思った 俺はいらない、要りませんから それから数ヶ月後、優香がうちに出向してきた 『片島さん!おひさしです!』 興味無かったから ナンパされるなんてしょっちゅうだから 「すみません、どこかで?」 横から同期の原田がツッコむ 『片島ぁ、大阪研修の時、飲み会隣だったろ?ね〜?』 「ああ、そうか。すみません」 『お詫びに歓迎会して下さいね?ふたりきりで』 「え…ふたりは…ちょっと?原田も来るだろ?」 『行く行く、お邪魔します』 「じゃあ、私も友人連れてきます!」 そこから付き合うまでは速かった あんな美人に、あなたを捕まえたくて出向してきたんです…なんて言われたらさ 俺は舞い上がって、あの時睨んだイケメンの事はすっかり忘れてた 原田は、あの時優香が連れて来た友達とガッツリゴールインした 幸せそうで、羨ましいとこに周りの声もあって… クリスマスにプロポーズしようと決意して 今ここ… 指輪…返品不可って言われたな そりゃそうだ 刻印も…愛のメッセージも…
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