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すぽんじ
ドガガガガガガ!!
「これは!!」
その音の正体は、3回目にもなると想像がつく、ナイトドールでした。が…
…、
「うわーっ!!」
「悲鳴!?」
悲鳴が聞こえたほうを見ると、ひとりの、お風呂用スポンジがナイトドールから逃げ回っている。
「どうしよう!」
「とりあえず変身めう!」
それも3回目になると、急に出てくるめうりんにも驚かなくなる…
「変身!!」
いつも通り、あたりがピンクに包まれておやすたちの体もピンクに包まれた。二人は、手に持っていた二つの星を、それぞれ両頬に押し付けると、星とハートのマークが頬に現れた。
次に、上から降ってきた大きな星を片手でキャッチして、また、上に放り投げた。それから、その放り投げた星は、高速で落ちてきて、おやすたちの手に着地すると、熱されたチョコレートのようにドロドロと溶けて、
黄色でステッキの原型に固まったかと思うと、それは、パンッと本来のステッキになった。
「希望と星の戦士!すやみ!」
「幸せと月の戦士!おやす!」
変身が終わった。
「はやく!助けないと!」
「弱めの必殺技めう!」
「弱めの必殺技?」
おやすたちは、首をかしげた。
「相手を弱らせないでも出来る必殺技のことめう!自分だけの技だから、自技とも呼ぶめう!」
「ほおう」
「じゃ、いくめう!」
「うん!」
おやすとすやみは空中にジャンプした。
「星のきらめき!」
と、すやみは言ってくるっと回って、元気にジャンプ。ウインクもする。
「月のはかなさ!」
と、おやすは少し低めの落ち着いたトーンでいって、少し恥ずかしそうに首をすくめて礼をした。
「夢の世界へようこそ!」
二人が声をそろえて言うと、流星群がたくさん飛んで行って、小さな音を立てて落っこちたかと思うと、、
どかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!
爆発した。
「あっ!」
二人は同時に言った。
「しまっためう!」
少し小さめの爆発ではあったが、軽いお風呂用スポンジの体は吹き飛ばされてしまった。いや、ほかのものでも飛ばされていたであろう。でも、かろうじてよかったてんは、軽いせいで普通より高く飛んだことだ。着地までに時間がある。
「どどどどどうしようっっ!!」
焦りまくるすやみ。
おやすは、静かに考えていた。
(今からキャッチしに向こうへ走っても多分間に合わない。)
(それならばどうするんだ…??)
(…)
「そうだ!!!」
突如叫んだおやすに少しびっくりするすやみ。
「技なら!!」
「……!」
一瞬おやすが何を言っているかがすやみはわからなかったようだが、すぐに理解したようだった。
「個体を傷つけないような技はないなかな!?めうりん!!」
「技っていうのは、自分で生み出すものだから、めうりんにきかれてもわからないめう。でも、自分で、攻撃したければ攻撃できるめう。そのぎゃくめう!」
と、めうりんたちは、超高速でしゃべる。
「なるほどっ!」
「…いくよ!!」
「うん!!」
二人は、また空中にとんだ。
「出でよ雲っ」
ふわっとしたくもがたくさん集まって竜巻のようになり、ぐるぐると回ってそのすぽんじのところへ、少し早めに飛んで行った。
「やった!!」
「せいこうっ!!」
軽いすぽんじのからだは、雲を突き抜けず、ふんわりと着地。
そして、地面に近づくにつれて、雲はふわりふわりと消えてゆき、地面につく頃には、すべての雲が消えていた。
おやすたちは、ナイトドールを必殺技で倒し、変身もとけた。
「あ、あの、ありがとうございます。たすけていただいて。」
「えへへ」
「どういたしまして。」
すぽんじは、帰っていった。
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