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2話
首輪をつけて大きな鉄格子に入れられる。
「へまするなよ」
「っ・・・は、い」
やがて所長の話し声が聞こえてきた。
「さぁさぁ、お集まりの皆さん!本日は特別商品をご用意しております!」
場がざわざわし始める。
「当販売所が15年の間温めてきたとっておきの品・・・No.199339です!」
私を入れた鉄格子が動き出し、ステージ上に出た。
ざわめきが一瞬収まったあと、歓声が聞こえてくる。毎夜の行為が実を結んでいるのか、私を見る目はいやらしいものばかりだ。
「素晴らしいでしょう!さぁ、1億からスタートです!」
普段は1000万程からなのにその10倍からのスタートとなった。
「2億!」
「4億!」
値段はどんどん上がっていき、やがて15億を超える。
「さぁさぁ、いないかいないかー!」
「20億!」
「っ・・・」
にやにや気持ち悪い笑いを浮かべた男が声を出した。
「20億!・・・では、落s・・・」
「待て。30億」
色白の、まだ若いと思われる男性が30億を出した。
――この人、なんだか違う。そう思った。
「さ、30億出たぞ!いないかいないか!」
「・・・35億!」
さっきの気持ち悪い男が5億あげた。
「・・・40億」
しかしさらに5億あげられ、手が出なくなったようだ。
「で、では、40億で落札です!」
私は、40億で買われた。
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