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3話
「・・・では、天宮様。商品の引渡しをいたします。住所、電話番号等は結構ですので、代金の方を頂戴させていただきます」
私は今、私を買った人に受け渡される。
「ん。もってこい」
・・・ご主人様、が一言言うと、傍に控えていた黒い服の人がスーツケースを持ってきた。
「これでいいだろ。丁度40億入ってる」
「あ、ありがとうございます。・・・それでは、商品の方をお渡ししたいと思います」
所長が私のところに来て首輪を引っ張る。
「ほら、さっさと出ろ」
「っ・・・!」
強く引っ張られたせいか、息が詰まった。ご主人さまが顔をしかめて言う。
「おい。それはもう俺のなんだから乱暴に扱うな」
「す、すみませんっ!」
鎖がご主人様の手に握られ、鍵が渡される。
「それでは、またお越しくださいませ。」
ご主人様は首輪ではなく、私の手を引いてくれた。
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