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 自分の処遇には興味がなかった。どうせ工場と実家を行き来する毎日だ。刑務所の方が、むしろ自分には合っているような気がする。楽しそうなマイルドヤンキーよりも、道を踏み外した底辺と共に生活したい。  南條の相談相手から、三好とヒロトの名前が浮上し、二人は逮捕された。三好のスマホには南條の写真が入っていて、それが動かざる証拠となった。ついでにパソコンも押収され、三洋堂の動画が見つかった。近々、桜井カオルと室井愛司は警察を辞めることになるだろう。あんなものを職場の人間に見られて、耐えられるはずがない。三好は、自分のせいで二人の立場が悪くなると思ったら、実刑など苦ではなかった。自分の幸せより願うのは、他人の不幸だ。ついでに体育教師の間宮の悪事も告げ口した。時効かもしれないが、奴の肝を冷やすことはできる。そして何より、カオルが悲しむ。三好はショックを受けるカオルを想像して勃起した。
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