わたしはだれのもの

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*  トモくんと千葉くんは、同じ地元出身で高校時代からの知り合いらしい。  わたしとトモくんが付き合う前から二人はいつでも一緒にいて、誰が見ても仲良しだった。  関係性は、トモくんが兄で千葉くんが弟みたいな感じ。トモくんが食べているものを千葉くんが「俺も食べたい」と言えばしょうがないなとトモくんは食べ物を分け与える。トモくんが読んでいるマンガを千葉くんが「俺もそれ気になる」と言えば、トモくんはそのマンガを貸してあげる。  トモくんの彼女として二人と一緒にいる時間が多くなったわたしは、そんな二人の関係を微笑ましく見ていた。  秋の終わる頃だったと思う。  三人で鍋をしようと誰かが提案し、千葉くんの部屋に集まることになった。  授業が五限までで一足早く終わったわたしと家主である千葉くんが、六限まで授業を受けているトモくんが来るのを待っているとき。雑談の中で千葉くんがふと、不思議そうに口にした。 「トモって何でも持ってるよな。顔良し、頭良し、それからお金持ち」 「まあ、トモくんはバイトの鬼だからお金は貯まるよねえ。でもそれ以外は千葉くんだって悪かないじゃん。こないだ見たよ、女の子に言い寄られてんの」  それに、同じ大学に通っているくらいだから、わたしたちは頭の良さは概ね似通っているんじゃないかと思う。……まあ確かにトモくんが一番成績良いけどさ。  千葉くんが気まずそうに鼻のあたりを掻く。
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